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のどけき春

最終更新: 2019年1月3日


のどけき春こそ久しけれ


散楽が猿楽へと発展して確立した能


楽には、史実が古の薫香を漂わせ目


覚めるときを待っていると想像する


と囃子を聞くように心が躍ります。

テクストはあるものの口伝による伝


承を鑑みれば、それは尊い記録であ


って、現在まで途切れることなく命


脈を保ってきたのですからこれは、


国を超えた遺産にほかなりません。

能は抑えきれない人の世の無常と情


念をあらわにする研ぎ澄まされた複


合藝術です。

稗田阿礼の誦習から編纂した現存す


る日本最古の歴史書『古事記』です


ら、時代が下ると十八世紀末に本居


宣長が注釈書『古事記伝』を著すま


で解読できない状態に陥っていたの

ですから、これだけでも能楽は誠に


貴重な宝といえましょう。


『古事記伝』草稿

古事記全編にわたる注釈書。全44巻

宣長が35歳の宝暦14年(1764年)から

69歳になる寛政10年(1798年)まで

35年の歳月をかけた大著。

本品は清書前の下書きと考えられ、

推敲が重ねられた様子が伺える。

能本は古代人の生き方や考え方の中


に連綿と流れる一貫した精神をしの


ばせて、行間の間(あわい)が舞台に


うつし出されると演者と客は彼岸


此岸の往き来にたゆたい、うつつと

夢幻のその裂け目から霊感を享受し


て主客一体の結界を出現させます。

譬えば「のどけき春こそ久しけれ」


と、めでたく謡いおさめられる脇能


『絵馬』は、天照大神を観世流と金


剛流では女神、宝生流と喜多流は男


神として演じるように、天照には女


神説と男神説とが存在します。

『日本書紀』冒頭の「古に天地未だ


剖(わか)れず、陰陽分れざりしとき」


の典拠になったのは、紀元前二世紀


の中国の思想書『淮南子』の巻二


俶真訓(しゅくしんくん)

「天地未だ剖れず、陰陽未だ判れず、


四時未だ分れず、萬物未だ生ぜず」


ですが、ここに登場する東海の


島(日本)に住んでいる十の太陽神の


母である義和が、天照のモデルに該


当するという説がある一方、斯界で


有名な『秀真(ホツマ)伝え』におい


ては男神と記されています。秀真は


神代文字で綴られた一万行に及ぶ叙


事詩で、縄文後期中葉から弥生、古


墳前期まで約一千年の神々の物語が


したためられています。

能を丹念に紐解くことは美の思索に


留まらず日本の根を解くきっかけを


付与するもので、宇宙へ躍進をめざ


す二十一世紀にますます研究すべき


教養と観照します。

真行寺君枝(俳優)

『花もよ』巻頭言

能と狂言総合誌 2018.03.01. 第36号


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